1. 実家を売却する前に!空き家の掃除はなぜ必要?
(1) 売却をスムーズに進めるため
空き家は、きちんと掃除をしていないと内覧希望者が現れにくく、売却までに時間がかかってしまう可能性があります。
項目 | 内容 |
---|---|
内覧希望者への影響 | ・第一印象が悪く、購入意欲が削がれる可能性がある ・売却理由を悪く捉えられてしまう可能性がある |
売却活動への影響 | ・内覧希望者が増えず、売却活動が長期化する可能性がある ・値引き交渉を強いられる可能性がある |
上記のように、掃除を怠ると売却活動において不利な状況に陥る可能性があります。 売却をスムーズに進めるためにも、空き家の掃除は非常に重要です。
(2) 買い手への印象を良くするため
内覧時の印象は、買い手の購入意欲を大きく左右します。 第一印象を良くするためにも、内覧者はもちろんのこと、不動産会社にとっても印象の良い状態にしておくことが大切です。
項目 | 掃除の有無による印象の違い |
---|---|
清潔感 | きれいに掃除されていると、清潔感があり好印象を与えることができます。 |
住みやすさ | 整理整頓されていると、実際住んだ時のイメージがしやすいので安心感を与えられます。 |
資産価値 | 大切に住まわれていたと判断され、資産価値が高いと認識される可能性があります。 |
上記のように、掃除が行き届いているだけで、買い手に好印象を与え、早期売却に繋がりやすくなるでしょう。 逆に、汚れや悪臭が残っていると、マイナスのイメージを与え、売却活動が長期化する可能性も考えられます。
(3) 資産価値を維持するため
家は人が住み続けることで、適切な換気や清掃が行われ、老朽化が遅くなります。しかし、空き家になってしまうと、風通しが悪くなり、湿気が溜まりやすくなります。
現象 | 資産価値への影響 |
---|---|
湿気によるカビ・ダニの発生 | 建材の腐食や劣化を招き、修繕費用がかかる可能性が高くなる |
ネズミや害虫の発生・繁殖 | 糞尿による悪臭や建材の損傷、衛生環境の悪化により、売却価格が下がる可能性がある |
庭木の成長・雑草の繁殖 | 景観が悪くなり、購入意欲を低下させる要因となる。場合によっては、近隣トラブルに発展し、売却が難航する可能性もある |
定期的な掃除やメンテナンスによって、これらの問題を予防し、建物の寿命を延ばすことは、資産価値を維持する上で非常に重要です。
(4) 放置による劣化を防ぐため
空き家は、人が住んでいないことで環境が大きく変化し、様々な劣化が発生しやすくなります。定期的な掃除やメンテナンスを行うことで、これらの劣化を予防し、資産価値を維持することができます。
劣化の例 | 説明 |
---|---|
シロアリ被害 | 木材を食べるシロアリが発生し、家の土台を蝕む |
雨漏り | 屋根の破損などにより、雨水が侵入し、天井や壁にシミができる |
カビ・ダニの発生 | 湿気がこもりやすく、カビやダニが発生しやすくなる。アレルギーの原因となることも |
ネズミ・害虫の発生 | 食料を求めて、ネズミや害虫が侵入しやすくなる |
配管の腐食 | 水道管の劣化により、水漏れが発生する |
建具の歪み | 気温や湿度の変化により、ドアや窓枠が歪み、開閉が困難になる |
これらの劣化は、放置すると修繕費用が高額になる可能性があります。また、売却時に買い手がつきにくくなる可能性もあります。空き家を適切に管理し、劣化を防ぐことが重要です。
2. 【自分で掃除する場合】空き家の掃除手順|部屋別解説
(1) 事前準備:必要なもの・服装
空き家の掃除は、広範囲にわたる作業になるため、事前の準備が重要です。必要なものを事前に揃えておくことで、作業がスムーズに進みます。
<必要なもの>
掃除用具 | 備考 |
---|---|
ほうき&ちりとり | 室内・屋外の掃き掃除に |
掃除機 | 可能な場合は用意 |
バケツ | 水拭きや洗剤液を作る際に |
雑巾 | 複数枚用意しておくと便利 |
ゴム手袋 | 洗剤を使う時や汚れがひどい時に |
マスク | 埃やカビの吸い込み防止に |
ゴミ袋 | 燃えるゴミ・燃えないゴミなど分別して用意 |
洗剤 | 用途に合わせて準備(カビ取り用など) |
ブラシ(大小) | 細かい部分の掃除に |
スクーパー | ペットボトルのキャップなども拾いやすい |
脚立 | 高い所の掃除に |
<服装>
- 動きやすく、汚れが目立たない服装
- 長袖・長ズボン
- 丈夫な靴(スニーカーなど)
安全のため、指輪やネックレスなどのアクセサリーは外しておきましょう。 また、夏場は熱中症対策として、帽子や飲み物なども用意しておくと安心です。
(2) 庭・家の外回り
まずは家の外観に関わる部分から掃除を始めましょう。家の外回りは内回り以上に、長年の汚れが蓄積していることが多いです。
場所 | 掃除方法 | 注意点 |
---|---|---|
雑草 | 除草剤を撒く、または手で抜き取る | 除草剤を使用する際は、近隣に配慮する。 |
落ち葉やゴミ | 熊手やブロワーで集めてゴミ袋に入れる。 | 分別して処分する。 |
雨どい | 中の落ち葉やゴミを取り除き、水で洗い流す。 | 高所作業になる場合は、無理せず業者に依頼する。 |
特に、雨どいは詰まりを放置すると、雨漏りの原因になる可能性があります。こまめな清掃を心がけましょう。
– – 雑草の除去
庭に生い茂った雑草は、放置すると害虫の発生源となったり、家の外観を損ねたりする原因になります。 効率的に雑草を除去するには、以下の表を参考に道具を使い分けましょう。
雑草の状態 | おすすめの道具 |
---|---|
高さ10cm程度の雑草 | 草刈り鎌、園芸バサミ |
高さ30cm以上の雑草 | 草刈り機 |
舗装面の目地の雑草 | 除草鎌、草削り |
雑草を根元からしっかりと除去することが大切です。 また、作業を行う際は、長袖・長ズボンを着用し、手袋や保護メガネを着用して安全に作業を行いましょう。 刈り取った雑草は、自治体の分別方法に従って処分してください。
– – 落ち葉やゴミの掃除
家の外回りの掃除では、落ち葉やゴミの掃除も重要です。長い間放置された落ち葉やゴミは、家の外観を損ねるだけでなく、害虫の発生源になる可能性もあります。
落ち葉の掃除には、熊手やブロワーを使うのが効率的です。集めた落ち葉は、自治体の分別方法に従って処分しましょう。
ゴミは種類ごとに分別し、指定のゴミ袋に入れてください。可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミなど、自治体によって分別方法が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
ゴミの種類 | 分別方法の例 |
---|---|
可燃ゴミ | 生ゴミ、紙くず、プラスチック類など |
不燃ゴミ | 金属、ガラス、陶器類など |
資源ゴミ | ペットボトル、缶、ビン、古紙など |
大量のゴミがある場合は、不用品回収業者に依頼することも検討しましょう。
家の周囲がきれいになると、印象が大きく変わるだけでなく、売却活動もスムーズに進みます。
– – 雨どいの清掃
雨どいは、屋根に降った雨水を集めて排水する役割を担っています。長期間放置された空き家の場合、雨どいに落ち葉やゴミが溜まりやすく、排水不良を起こしている可能性があります。
現象 | 原因 |
---|---|
雨水がうまく流れない | 落ち葉やゴミ詰まり |
雨どいの継ぎ目から水漏れする | 腐食や破損 |
排水不良を放置すると、雨水が家の外壁に染み込み、腐食やカビの原因になることがあります。ひどい場合は、家の構造に影響を及ぼす可能性も。 掃除の際は、高所作業となるため、安全に十分注意して行いましょう。不安な場合は、無理せず業者に依頼することをおすすめします。
(3) 家の中
家の中は、まず窓を開けてすべての部屋を換気しましょう。長期間閉め切っていた場合は、特に念入りに換気することが大切です。換気が終わったら、家全体の埃やゴミを取り除きます。
その後、掃除機やほうきを使って床の掃除を行います。フローリングの床は、掃除機をかけた後、水拭きするとより綺麗になります。
水回りは、特に汚れが溜まりやすい場所です。キッチン、浴室、トイレなど、それぞれ専用の洗剤を使って丁寧に清掃しましょう。
最後に、窓や網戸も忘れずに清掃します。窓ガラスは、水拭きした後、乾いた布で拭くと、拭き跡が残りにくくなります。
部屋 | 掃除箇所例 | 洗剤例 |
---|---|---|
キッチン | シンク、コンロ、換気扇、冷蔵庫の中など | 油汚れ用洗剤、セスキ炭酸ソーダなど |
浴室 | 浴槽、シャワー、床、排水溝など | カビ取り用洗剤、浴室用洗剤など |
トイレ | 便器、床、壁、換気扇など | トイレ用洗剤 |
これらの掃除を丁寧に行うことで、家の中を清潔な状態に保ち、買い手に好印象を与えることができます。
– – 各部屋の換気
長期間閉め切っていた家は、空気が非常に澱んでいます。まずは窓を開けて新鮮な空気を取り込みましょう。換気をするときは、以下の点に注意して行いましょう。
項目 | 注意点 |
---|---|
窓を開ける時間帯 | 天候が良く、風の通りが良い午前中〜午後がおすすめ |
開ける窓の数 | なるべく多くの窓を開け、風の通り道を作る |
家具の配置 | 空気の循環を良くするため、家具の位置を調整したり、窓際に物を置かないようにする |
換気時間 | 可能であれば、数日に分けて数時間ずつ行うのが理想。最低でも1時間以上は換気をしましょう。 |
換気を行うことで、カビやダニの発生抑制、湿気のこもった空気の入れ替え、そして掃除中の埃の吸い込み防止にも繋がります。快適で安全な掃除環境を作るためにも、換気は非常に大切です。
– – 埃・ゴミの除去
長期間人が住んでいないと、家の中には大量の埃やゴミが蓄積されます。放置するとダニの発生やカビの原因にもなり、健康にも悪影響です。掃除機やほうきなどを使い、丁寧に除去していきましょう。
場所 | 掃除方法の例 | 使用道具の例 |
---|---|---|
床 | ほうきで掃いた後、掃除機をかける | ほうき、ちりとり、掃除機 |
カーテンレール | 雑巾で拭く、ハンディモップで埃を取る | 雑巾、ハンディモップ、掃除機(ブラシ) |
家具の上 | 雑巾で拭く、ハンディモップで埃を取る | 雑巾、ハンディモップ |
照明器具 | カバーを外して水洗い、または乾いた布で拭く | 雑巾、中性洗剤 |
ポイント
- 高い場所の埃は、柄の伸びるハンディモップや掃除機を使うと便利です。
- 掃除機をかける際は、ゴミの取り残しがないよう、ゆっくりと動かすようにしましょう。
– – 床の掃除機がけ/水拭き
長期間放置されていた空き家の床には、目に見えないダニやカビ、花粉などが蓄積している可能性があります。アレルギーの原因となることもあるため、掃除機や水拭きを丁寧に行いましょう。
掃除機がけ | 水拭き |
---|---|
1. 部屋の隅々まで丁寧に | 2. 水拭き用の洗剤を薄めて使用する |
2. 家具の下も忘れずに | 3. 雑巾はこまめに洗う |
<掃除機がけのポイント>
- 家具と床の隙間など、手が届きにくい箇所は、ノズルを付け替えるなどして丁寧に掃除機をかけましょう。
- 畳の場合、目に沿って掃除機をかけると、傷みを防ぐことができます。
<水拭きのポイント>
- 水拭きを行う際は、洗剤の使用方法をよく確認し、適切な濃度に薄めて使用してください。
- フローリングワイパーを利用すると、腰への負担を軽減できます。
– – 水回りの清掃(キッチン・浴室・トイレ)
水回りは特に汚れが溜まりやすく、放置すると悪臭や害虫の発生に繋がることがあります。念入りに清掃を行いましょう。
場所 | 清掃箇所 | 使用する洗剤・道具例 | 注意点 |
---|---|---|---|
キッチン | シンク・コンロ・換気扇・排水口 | 油汚れ用洗剤・重曹・セスキ炭酸ソーダ・パイプクリーナー | 特に油汚れは落としにくいので、洗剤を時間を置いてから使用する |
浴室 | 浴槽・床・壁・排水口 | カビ取り用洗剤・浴室用洗剤 | カビは発生源を断つために、最後は水気をしっかり拭き取る |
トイレ | 便器・床・壁・換気扇 | トイレ用洗剤 | こびり付いた汚れには、洗剤パックを使うのも効果的 |
水回りの清掃は、洗剤の成分や使用方法を誤ると、素材を傷めたり、健康に影響を与えたりする可能性があります。洗剤を使用する際は、必ず使用方法をよく読み、換気を十分に行いましょう。
– – 窓・網戸の清掃
窓や網戸は、家全体の印象を大きく左右する部分です。長期間放置された窓ガラスは、雨や埃で汚れが蓄積し、視界が悪くなっていることが多いです。また、網戸も同様に埃や虫の死骸などで汚れが目立ちます。
効率良く掃除するために、以下の表を参考にしながら進めると良いでしょう。
作業手順 | 使用する道具 | 注意点 |
---|---|---|
1. 埃落とし | ほうき、ブラシ、掃除機 | 窓枠や網戸の目に詰まった埃を丁寧に落とします。 |
2. 洗剤洗い | バケツ、中性洗剤、スポンジ、雑巾 | 窓ガラスは、洗剤液をつけた後、乾いた雑巾で拭き取ると綺麗に仕上がります。 |
3. 水拭き | バケツ、綺麗な水、雑巾 | 洗剤が残らないように、しっかりと拭き取ることが大切です。 |
4. 乾燥 | 綺麗な乾いた雑巾、スクイジー(あれば) | 水滴が残ると、水垢の原因になります。 |
網戸は、外して洗うとより綺麗に仕上がります。汚れが酷い場合は、浴室などで洗剤を使って洗うと良いでしょう。
(4) 害虫・害獣対策
空き家は、害虫や害獣にとって住みやすい環境です。 放置すると、糞尿による悪臭や家の劣化、健康被害のリスクも高まります。 害虫・害獣対策として、以下のことを行いましょう。
害虫・害獣 | 対策 |
---|---|
ゴキブリ・ダニ | ・食べ残しや生ゴミを放置しない ・定期的に掃除機をかける ・市販の駆除剤を設置する |
ネズミ | ・侵入経路を塞ぐ ・毒餌や捕獲器を設置する |
ハト | ・ベランダに糞や巣がないか確認 ・忌避剤やネットを設置する |
害虫・害獣の被害が深刻な場合は、専門業者に依頼することも検討しましょう。
3. 【掃除にかかる費用相場】業者に依頼する場合と比較
(1) 自分で掃除する場合の費用
自分で空き家の掃除をする場合は、主に以下の費用がかかります。
費用項目 | 内訳 | 目安 |
---|---|---|
清掃道具代 | ほうき、ちりとり、雑巾、バケツ、ブラシ、洗剤、スポンジ、ゴミ袋など | 5,000円~10,000円 |
洗剤代 | キッチン用洗剤、お風呂用洗剤、トイレ用洗剤、カビ取り剤など | 2,000円~5,000円 |
ゴミ処理費用 | ゴミ袋代、粗大ゴミ処理費用など | 地域やゴミの量によって異なる |
清掃道具は、家にあるものも活用すれば費用を抑えられます。しかし、汚れがひどい場合は、専用の洗剤などが必要になることもあるでしょう。また、ゴミの量が多い場合は、処分費用が予想以上にかかる場合もあるため、注意が必要です。
– – 清掃道具代
空き家の掃除を自分で行う場合、ある程度の清掃道具を揃える必要があります。すでに自宅にあるものも活用できますが、足りないものは買い足す必要があるでしょう。
道具 | 用途 | 費用相場 |
---|---|---|
ほうき&ちりとり | 床のゴミや埃を集める | 500円~ |
ゴミ袋 | ゴミの分別・回収 | 500円~ |
バケツ | 水拭きや洗剤を薄める際に使用 | 300円~ |
掃除機 | 床やカーペットのゴミを吸引 | 5,000円~ |
雑巾 | 埃や汚れを拭き取る | 300円~ |
スポンジ | 水回りの汚れを落とす | 100円~ |
洗剤(住居用・カビ取り等) | 汚れの程度に合わせて使い分ける | 300円~/本 |
ゴム手袋 | 手を保護 | 200円~ |
マスク | 埃やカビの吸い込み防止 | 500円~ |
保護メガネ | 洗剤や埃から目を保護 | 500円~ |
上記は一例です。家の広さや汚れ具合によって必要な道具は変わるため、事前に確認しておきましょう。
– – 洗剤代
空き家の掃除では、普段の家事では使用しないような洗剤が必要になる場合があります。長年の汚れやカビ、水垢などを落とすには、強力な洗剤を使う方が効率的です。
洗剤の種類 | 用途 | 価格相場 |
---|---|---|
カビ取り剤 | 浴室や洗面所などのカビ除去 | 500円~1,500円程度 |
油汚れ用洗剤 | キッチンの油汚れの除去 | 500円~1,000円程度 |
水垢落とし洗剤 | 水回りや鏡などの水垢除去 | 500円~1,000円程度 |
多目的洗剤 | 床、壁、家具などの一般的な汚れの除去 | 300円~800円程度 |
これらの洗剤を複数購入すると、費用がかさみます。事前に汚れ具合を確認し、必要な洗剤をリストアップしておきましょう。また、ホームセンターのプライベートブランドなど、リーズナブルな商品を選ぶことも費用を抑えるポイントです。
– – ゴミ処理費用
空き家の掃除では、大量のゴミが出ることも珍しくありません。不用品を処分する際には、自治体の分別ルールに従って適切に処理する必要があります。
ゴミ処理費用は、ゴミの種類や量、地域によって異なります。
ゴミの種類 | 例 | 費用相場 |
---|---|---|
可燃ゴミ | 生ゴミ、紙くず | 数百円~数千円/回収ごと |
不燃ゴミ | 金属製品、ガラス製品 | 数百円~数千円/回収ごと |
粗大ゴミ | 家具、家電 | 1点数百円~数千円 |
産業廃棄物 | 建築資材、危険物 | 専門業者に要見積もり |
大量のゴミを処分する場合は、割高になる場合もあるため注意が必要です。また、家電リサイクル法の対象となる家電製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ)は、リサイクル料金と収集運搬料金が別途かかります。不用品回収業者に依頼する場合は、事前に見積もりを取り、追加料金が発生する可能性なども確認しておきましょう。
(2) 業者に依頼する場合の費用相場
業者に空き家の掃除を依頼する場合、家の規模や作業内容によって費用は大きく異なります。 一戸建ての場合、一般的な清掃で10万円~30万円が相場となりますが、部屋数が多い、汚れがひどいなどの場合はさらに高額になる可能性があります。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
簡易清掃 | 5万円~15万円 |
通常清掃 | 10万円~30万円 |
特殊清掃 | 30万円~ |
上記はあくまで目安であり、業者によって料金設定は異なります。正確な費用を知るためには、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。見積もりは無料で行ってくれる業者が多いので、気軽に問い合わせてみましょう。
– – 規模・作業内容による費用の違い
業者に依頼する場合、空き家の規模や作業内容によって費用は大きく異なります。 一戸建ての場合、延床面積が広いほど費用は高くなる傾向があります。 また、作業内容では、
- 簡単な清掃のみ
- 遺品整理や不用品の回収を含む場合
- 庭木の伐採や剪定を含む場合
- 特殊清掃(孤独死・事故物件など)が必要な場合
などによって費用が大きく変わるため、注意が必要です。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
簡単な清掃のみ | 10万円~ |
遺品整理を含む場合 | 20万円~ |
庭木の伐採を含む場合 | 30万円~ |
特殊清掃が必要な場合 | 50万円~ (場合によっては100万円以上) |
上記はあくまで目安であり、実際の費用は業者に見積もりを取って確認する必要があります。
– – 複数社に見積もりをとることの重要性
空き家の掃除を業者に依頼する場合、複数の業者に見積もりをとることが重要です。なぜなら、業者によって料金体系やサービス内容が異なるからです。
複数の業者に見積もりを依頼することで、以下の表のような項目を比較することができます。
項目 | 説明 |
---|---|
料金体系 | 作業時間制なのか、部屋の広さ制なのか、一律料金なのかなどを確認しましょう。 |
作業内容 | 具体的にどのような作業が含まれているのかを確認しましょう。 |
追加料金の有無 | 遺品整理や不用品回収など、追加料金が発生する作業について確認しましょう。 |
キャンセル料金 | キャンセルの場合、いつまでに連絡すれば料金が発生しないのかを確認しましょう。 |
複数の業者を比較することで、ご自身の予算やニーズに合った業者を選ぶことができます。
また、悪質な業者を避けるためにも、複数の業者から見積もりをとって比較検討することが大切です。
4. 【状況別】空き家の掃除はプロに依頼すべきケース
(1) 遠方に住んでいて頻繁に実家に戻れない
遠方に住んでいる場合、実家の掃除のために何度も帰省するのは時間的にも金銭的にも大きな負担となります。
項目 | 内容 |
---|---|
交通費 | 新幹線や飛行機を利用する場合、往復の費用は高額になります。 |
宿泊費 | 実家に宿泊できない場合は、ホテル代もかかります。 |
休暇 | 掃除のためにまとまった休暇を取得する必要があるかもしれません。 |
このように、遠方からの掃除は容易ではありません。そのため、時間や費用の節約、そして効率的な掃除という観点から、プロの業者に依頼することを検討してみましょう。
(2) 体力的に掃除が難しい
空き家の掃除は、想像以上に体力が必要です。広範囲の掃除になるため、体力に自信がない方や高齢の方には大変な作業となるでしょう。
作業内容 | 必要な体力・体力への負担 |
---|---|
庭の雑草除去 | 中腰姿勢での作業、広範囲の移動、力仕事が必要 |
家の中の家具の移動 | 重い家具の移動、階段の上り下り |
床の掃除機がけ・水拭き | 広範囲の移動、中腰姿勢での作業 |
水回りの清掃 | 力を入れてこする作業、中腰姿勢での作業 |
上記のように、体力的に負担の大きい作業が多くあります。無理をして掃除を行うと、体調を崩したり、怪我をしてしまう可能性もあるため注意が必要です。ご自身の体力と相談し、難しいと感じた場合は無理せず業者への依頼を検討しましょう。
(3) 専門的な知識や技術が必要な掃除
空き家の状態によっては、自分で掃除するのが難しいケースがあります。 専門業者でなければ対応できない作業が必要になる場合もあるため、状況に応じてプロへの依頼を検討しましょう。
ケース | 説明 |
---|---|
害虫・害獣の駆除 | 毒餌や燻煙剤の使用など、専門知識が必要となるため、害虫駆除業者への依頼が安心です。 |
カビの除去 | 広範囲にカビが発生している場合は、専門的な薬剤や機材を用いた除去作業が必要です。 |
排水管の清掃 | 長期間使用していない排水管は、悪臭や害虫発生の原因となります。高圧洗浄などの専門技術が必要です。 |
遺品整理・特殊清掃 | 多量の遺品がある場合や、孤独死などで特殊な清掃が必要な場合は専門業者に依頼しましょう。 |
上記のような状況の場合は、無理に自分で掃除しようとせず、プロの力を借りることが、安全かつ効率的に作業を進めるために重要です。
(4) 時間がない
実家を売却する予定が決まっていて、一刻も早く売却活動をスタートさせたい場合など、時間がないというケースも多いでしょう。
ケース | 説明 |
---|---|
期限が決まっている場合 | 売却期限が決まっている場合や、相続手続きなどの関係で、限られた時間内に掃除を終わらせる必要がある場合などが挙げられます。 |
仕事が忙しい場合 | 仕事が忙しく、まとまった時間を確保することが難しい場合も、空き家の掃除を自分自身で行うことは容易ではありません。 |
他のことに時間を割きたい場合 | 引越しや遺品整理など、他に優先して時間を割きたいことがある場合、空き家の掃除に時間を割くことが難しいケースも考えられます。 |
このような場合は、無理に自分で行わず、プロに依頼することを検討しましょう。
5. 掃除を依頼できる業者|タイプ別おすすめサービスを紹介
(1) 不動産会社
不動産会社の中には、売却物件の清掃サービスを提供しているところがあります。不動産会社に依頼するメリットは、売却活動と並行して掃除を進められる点です。
メリット | デメリット |
---|---|
売却活動と掃除を同時進行できる | 清掃専門業者に比べて費用が高くなる場合がある |
内覧に備えた適切な清掃をしてもらえる | サービス内容が不動産会社によって異なる場合がある |
不動産売却に関する相談もまとめてできる |
ただし、清掃サービスの内容や費用は不動産会社によって異なります。そのため、事前に見積もりを取り、サービス内容をしっかりと確認することが大切です。
(2) 清掃業者
一般的な清掃業者も空き家の掃除サービスを提供しています。
メリット | デメリット |
---|---|
不動産会社よりも費用を抑えられることが多い | 専門的な清掃は別途費用が発生する可能性がある |
幅広い清掃ニーズに対応してくれる |
浴室のカビ取りやキッチンの油汚れなど、頑固な汚れを落とすことに長けています。ただし、遺品整理や害虫駆除など、専門的な作業は別途費用が発生したり、対応できない場合もあるため、事前に確認が必要です。複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
(3) 特殊清掃業者
特殊清掃業者とは、孤独死や事故現場など、通常の清掃では対応できない現場の清掃を専門に行う業者です。空き家が長期間放置され、遺品整理や害虫駆除が必要な場合などに依頼を検討しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | ・専門的な知識や技術を持つスタッフによる清掃 ・特殊な機材や薬剤を使用できるため、徹底的な清掃が可能 ・消臭・除菌作業も依頼できる |
デメリット | ・他の業者と比べて費用が高額になりやすい |
特殊清掃が必要な状況かどうかは、業者に相談して判断してもらうことをおすすめします。
6. まとめ:状況に合わせて最適な方法を選択しよう
空き家の掃除は、売却をスムーズに進める上で重要なプロセスです。
掃除の方法を選ぶ際には、ご自身の状況に合わせて、費用対効果や効率性を考慮することが大切です。
自分で掃除するメリット | 業者に依頼するメリット |
---|---|
費用を抑えられる | 時間と労力を節約できる |
自分自身で家の状態を確認できる | 専門的な知識や技術で、より効果的な掃除が可能 |
- 時間や体力に余裕があり、費用を抑えたい場合は、自分で掃除をすることも検討しましょう。
- 一方で、遠方に住んでいたり、体力的に難しかったりする場合は、無理せず業者に依頼することもおすすめです。
いずれの場合も、事前の情報収集や計画が大切です。 状況に合わせて最適な方法を選択し、効率的に空き家の掃除を進めましょう。